ハコモノは、維持管理も含めると建設費用の3倍になる?


竹田市にも「グランツたけた」という、新しい文化会館が2018年10月にオープンしました。


まちづくりに関わる若手と話していた、2015年の計画段階の新文化会館の概要説明会で、当時、下記のような質問をしました。


---


「H25.12.25の定例議会で、市長も下記のように仰っています。

『(文化会館の)企画運営に懸かる予算も(建設の)構想と同時に組み上げていく必要がある』

その、「企画運営費用」計画に関しての現状をお聞きしたいのですが、具体的な「運用計画」はありますか?」

(「運用計画」とは、「収入・支出の目標」や、施設への「投資」に対する市民生活への「効果」、具体的なイベントの実施計画等のこと)」

 「質問の背景としては、「新国立競技場」が問題視されていることもあり、従来型のハコモノの採算性と維持管理費が気にかかるということがあります」


---


当時の東京での「新国立競技場」問題もからめながら、上記のような質問をしました。

ただ、市役所側からは明確な「運用計画」は出てきませんでした。。

そんなことを思い出しながら、下記の書籍に出会いました。


---


○ 『地元がヤバイ・・・と思ったら読む 凡人のための地域再生入門』(木下斉著)


“ 公共開発の怖いところは、開発時に国からいくらもらおうとも、その維持費は自らが負担しなくてはならないということ。

 そして、開発費より維持費のほうが高いという事実だ。


 (注36)施設開発は、建てる時より建てた後のほうがコストがかかる 。

 開発後の維持管理、定期的な大規模修繕、解体などトータルでかかる生涯費用を計算すると、一般的に建てるときにかかる開発費に対して3~4倍かかる 。

 たとえば 、30億円の公共施設に国から 15億円がでたとしても 、維持費を考慮すれば、トータルでは90億円のうち15億円しかもらえていないことになる 。

 「残りの75億円を自治体の予算、民間のテナント料などで賄えるか」という議論さえせず、国からの15億円をもらうことだけを手柄とする地域がいまだに多い。

 しかし本当は15億円もらって、75億円を自分たちの財布から出すことになるとんでもない買い物なのだ。 ”


---


平成30年10月7日のグランツたけた落成式では、下記のような発言が市長からありました。


---


・グランツたけたには、31億円の予算が投じられた

・国から、社会資本整備交付金ということで、31億のうち10億に近い補助金が出た

・また、合併をしたご褒美として、起債を打ったその7割が国から帰ってくる、およそ12億円だ

・結果的に竹田市の負担は4億7千万円だった


---


もう、まさにこの書籍に書いてある通り、という感じです。


今回のグランツたけたを当てはめると、建設後の維持管理含むと建設費31億の3倍、トータル93億円のうち、26億3千万円は国から出るが、建設費の4億7千万円に62億円をプラスして合計66億7千万円は自分たちの財布から出すということ?


すごいことになりそう。。


逃げ切れない世代としては、将来を真剣に考えねば。。。

Dソリューション研究所

~移住フリーランスが、竹田・大分企業を担う若手後継社長の、マネジメントとリーダーシップ能力向上に貢献いたします~

0コメント

  • 1000 / 1000